職場での組合活動の進め方
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4多くの人が労働組合というと、賃金や労働条件の交渉を、労働者の代表として経営者との間で行う組織であるととらえています。それは、労働組合の目的を定義した労働組合法の第2条に、次のように書かれているからです。【労働組合法第2条】この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。また、この目的の達成のために、労働組合が毎年行う「春闘」が、日本の国民的年間行事や、俳句の季語としても使われている実態にあります。しかし、この労働組合の目的や、この目的を実現するための労働界の一大イベントの「春闘」が、バブル崩壊以降の長引く不況によって機能せず、成果を上げられない状況にあることは、多くの人々が理解しているところです。それどころか、昨今の「春闘」を見ていると、賃金・労働条件を維持できればよいほうで、現実は成果があげられないどころか、「春闘」が賃金や労働条件の引き下げの交渉の場や機会となってしまっている、というありさまです。ベアの要求中止はもちろんですが、定昇の凍結すら行われているご時勢になっています。もはや、賃金制度そのものを根本から変更し、定昇の概念すらない賃金が常識化する時代へと移りつつあります。労働組合の組織率も年々低下の一途をたどり、2009年の組織率は18.5%にまで低下し、労働組合の組合員が雇用労働者10人に2人もいないという、少数派へと追いやられてしまっています。したがって、今日、組合役員を担われている多くの方々が、労働組合は何のためにあるのか、また、なぜに組合員として組合活動に参加・協力しなければならないのか、また、それを組合員に求めることについてうまく説明できないでいます。さらにそれだけではなく、組合員に組合費を払う価値や意味が説明できない苦しい胸の内にあります。また、組合役員に選ばれたご自身が、組合役員としてその任務を担うことに、自信と確信をもって自分自身を納得させられない状況にあります。ご自分のプライベートの時間や家族と過ごす時間や休日を削ってまで組合活動に参加することが、大変つらいものとなっています。春闘が機能せず、目的が達成されない時代に組合役員に選ばれたことに自信と確信を持てない苦しい胸の内春闘が機能せず、目的が達成されない時代に組合役員に選ばれたことに自信と確信を持てない苦しい胸の内

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