はじめに「ワーク・ライフ・バランスが実現できていない」「労働時間の管理徹底が不足している」「人事評価への不満がある」「ワークモチベーションが低下している」「職場での職務連携意識が不足している」……これらの職場の課題を迅速に解決する力を持った「理想のリーダー」は、それほど多く存在しません。しかし、私たち組合員は、自らが「理想のフォロワー」であることとは無関係に、他者に「理想のリーダー」を求める傾向があります。それゆえ職場では、上司への不満や悩みを一人で抱え込んで孤立化したり、同僚間の関係性が悪化するなど、ストレスフルな環境を招いています。このような職場では、組合員が本来持っている能力が発揮されないのではないでしょうか。多くの労働組合で、これらの問題を課題として捉え、それを解決すべく運動方針に掲げています。また、執行部はこれらの問題の解決を経営側に対して求めます。しかし、経営側は「労働組合にも責任の一端があるのでは」「組合員の意識も関係しているのでは」「労働組合の活動にも問題があるのでは」と考えているため、労使協議での問題提起は抽象的なやりとりとなり、具体的な解決に至らないのではありませんか?顧客に密着した現場からのイノベーションが求められる今日の企業にとって、これらの問題解決は、優先度の高い課題だといえます。そしてこれらの解決は、制度や上司のマネジメントの改善によってのみもたらされるものではありません。労働組合が経営に問題提起をするとともに、双方が当事者意識をもって臨むことで解決される「労使共通の経営課題」なのです。以前の考え方では、強いリーダーシップのもと、リーダー中心に問題解決を図っていくことが当然とされていました。しかし現実的には、画一的なトップダウンの取り組みでは解決に至らなくなっています。だからこそ、現場での知恵、フォロワーからのアプローチが有効なのです。この考え方こそ、労働組合の取り組みの原点になっています。職場課題の解決には、労働組合が自らの強みを活かし、組合員を「プロフェッショナルフォなぜフォロワーシップなのか?理想(幻想)のリーダーを求めることから脱却しよう!
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