Union Success Story Union Success Story
NTTデータCCS労働組合

対話とつながりを深める代議員育成
意見交換会と研修で育んだ、
声が活かされる組織づくり

Case

NTTデータCCS
労働組合

NTTデータCCS労働組合さん

書記長

委員長

副書記長

田畑 拓也 

後藤 敦 

福岡 卯胤 

 組織概要

業種
ソフトウェア業
組織名
NTTデータ
CCS労働組合
組合員数
569名(2026年6月時点)
組織構成
1本部

01 課題背景|代議員とともにつくる組合活動を目指して

01 課題背景|代議員とともにつくる組合活動を目指して

1-1 組合を「横のつながりを生む存在」にしたかった

私たちは以前から、「組合はどのような価値を発揮していくべきなのか」を考えていました。
IT企業という業種の特性上、業務は部署ごとに完結しやすく、部署間の交流が生まれにくい環境におかれています。他部署でどのような課題があるのか、どのような取り組みが行われているのかが見えづらく、社員同士が自然なつながりを持つ機会も限られていました。
そうした中で、組合活動も情報伝達が中心になりがちでした。
もちろん情報を正しく届けることは大切ですが、それだけでは組合ならではの価値を十分に発揮できているとは言えません。
私たちは、組合には会社や部署の枠を越えて人と人をつなぐ役割があるのではないかと考えました。
そこで掲げたのが、
「色とりどりのリンクを増やし、次に向けた一歩を踏み出している」というビジョンです。
部署や立場を越えたつながりが生まれ、そのつながりをきっかけに新しい行動や挑戦が生まれていく。
そうした横のつながりを組合から広げていくことが、組合員にとっても、ひいては会社にとっても価値につながるのではないかと考えました。
また、このビジョンを実現するための中期目標として、STEP1からSTEP3までのロードマップも策定しました。
ビジョン達成に向けた中期目標

組合員全員で組織運営できていること

STEP1

それぞれが
最小限の行動を
起こしている

STEP1
情報伝達
STEP2

会社生活を
有意義なものとするために
自ら行動を起こしている

STEP2
対話・行動
STEP3

会社生活を
有意義なものとするために
未来を見据えた
行動を起こしている

STEP3
主体的な組織運営
ビジョン達成に向けた中期目標の図
STEP1では、代議員が組合の情報を正しく伝え、組合員との接点をつくることを重視しました。
まずは情報伝達の基盤を整えることが必要だと考えたからです。

1-2 一方通行ではなく、対話が生まれる場へ

STEP1を進める中で、情報伝達の仕組みは少しずつ整っていきました。
一方で見えてきたのが、次のステップに向けた課題です。
当時の代議員会は、執行部から説明を受け、その内容を職場へ持ち帰る場としての役割が中心でした。
そのため、代議員から率直な意見や考えを聞く機会は限られていました。
そこで、ビジョン実現に向けたSTEP2では、「会社生活を有意義なものとするために自ら行動を起こしている状態」を目指し、代議員同士が活発に意見を出し合い、ともに考えられる組織づくりに取り組むことにしました。
代議員会で議論を重ねながら、会社生活をより良くするためのアイデアを生み出していく。そんな状態をつくることが、ビジョン実現に向けた重要な土台になると考えたのです。

02 取り組み内容|意見交換会と研修で対話の土台を築く

02 取り組み内容|意見交換会と研修で対話の土台を築く

2-1 まずは意見を出しやすい環境づくりから

まず取り組んだのが、代議員が意見を言いやすい環境づくりでした。
これまでも代議員に意見を求めることはあったのですが、人数が多い環境で思ったことを言いづらい雰囲気があったのではないかと考えました。
代議員会の中に意見交換会の時間を設け、報告を受けるだけでなく、代議員同士で意見を出し合える場をつくりました。
少人数のグループに分けたり、活発な代議員を各グループに配置したりするなど、誰もが発言しやすいよう工夫しました。
その結果、それまで発言が少なかった場面でも自然と会話が生まれるようになり、代議員会は徐々に、情報伝達の場だけではなく、意見交換の場としても機能し始めました。

2-2 研修と実践を重ね、議論の質を高めた

意見交換会によって発言量が増えてくると、新たな課題が見えてきました。
「給与を上げてほしい」「制度を改善してほしい」といった要望型の意見が多く、議論が会社への要望で終わってしまう場面も少なくなかったのです。
代議員自身が課題を考え、「自分たちに何ができるのか」を話し合える場にしたい。そのためには議論の質そのものを高める必要があると考えました。
そこで実施したのがファシリテーション研修です。研修では、傾聴や相槌、問い立ての考え方、意見の引き出し方などを学びました。
企画の際に意識したのは、研修を受けて終わりにするのではなく、その内容を意見交換会の中で実践につなげることです。
代議員は、研修で学んだ話し合いのフレームを翌月の意見交換会で実践し、学びを実際の議論に生かしていきました。
また、執行部としても「問いによって意見の質が変化する」という学びを生かし、「より良い状態を実現するために私たちに何ができるか」を考えられる問いかけへと見直しました。
研修で学び、実践し、振り返る。そのサイクルを繰り返しながら、議論の深さやアウトプットの質を少しずつ高めていきました。

03 成果|代議員の変化が組合活動を動かした

03 成果|代議員の変化が組合活動を動かした

3-1 代議員会が「考え、話し合う場」へ変化

以前は情報を受け取り、職場へ伝えることが中心でしたが、こうした積み重ねを経て代議員会の中で交わされる議論は少しずつ変化していきました。
議論の内容も、要望や不満を共有するだけではなく、背景を整理し、自分たちに何ができるのかを考える建設的なものへと変わってきています。
また、代議員会で出た意見を会社へ伝える機会も増え、会社とのコミュニケーションにも変化が生まれました。
人事部門や経営側との対話の場では、組合員の声をもとに率直な意見交換が行われるようになり、会社からの発信の中で「組合からの要望を受けて」と紹介される場面も出てきました。

3-2 活動への手応えが継続的な参加につながった

こうした経験を通じて、「ここで意見を出せば何か変わるかもしれない」と感じる代議員も出てきました。
また、以前は代議員が毎年ほぼ総入れ替えになることもありましたが、最近は自ら希望して継続的に活動へ参加する代議員も増えています。
活動を経験した代議員からは、「意外とやってみるとよかった」「活動が楽しい」といった声も聞かれるようになりました。
私たちとしても、代議員の活動に対する受け止め方が少しずつ前向きなものに変わってきていることを実感しています。

3-3 代議員のアイデアで組合の取り組みが進化

03-3 代議員のアイデアで組合の取り組みが進化
代議員のアイデアを組合活動に取り入れる機会も増えていきました。
その象徴的な事例が、「憩いのおごり自販機」です。
この企画は、組合の繰り越し金を有効活用しながら、部署を越えたコミュニケーションを促進する施策として執行部が発案しました。
この施策では、社員二人で利用すると飲み物が無料になる自販機を活用し、自然な交流のきっかけをつくることを目的としています。
当初、執行部では「みんなのおごり自販機」という名称を考えていましたが、せっかくなら代議員にも意見を聞いてみようと意見交換会の議題にしました。
すると、執行部の想像以上にさまざまなアイデアが出されました。
その中の一つが「憩いのおごり自販機」という案です。
執行部で考えていた案よりもこちらの方がしっくりくると感じ、最終的にその案を採用することにしました。
さらに運用面でも、代議員のアイデアが取り入れられました。
執行部では、誰と利用したのかをシールで記録し、部署を越えた交流の広がりを見える化する仕組みを考えていました。
当初はシンプルな台紙を想定していましたが、代議員から「せっかくなら楽しく参加できるものにしてはどうか」という提案がありました。
執行部にはなかった「組合活動だからこそ楽しく」という視点に気づかされ、その提案をした代議員に台紙のデザインをお願いしました。
4月には桜をモチーフにした、思わずシールを貼りたくなるようなデザインが誕生しました。現在も毎月、季節に合わせたデザインを制作しながら運用を支えてくれています。
桜をモチーフにしたデザイン

04 今後の展望|組合員とともにつくる組合活動を目指して

04 今後の展望|組合員とともにつくる組合活動を目指して
現在は、執行部が議題や施策を用意し、その中で代議員から意見を募る形が中心です。
しかし私たちが目指しているのは、その先の姿です。
代議員自らが課題を見つけ、アイデアを提案し、活動を形にしていく。そんな組織づくりを進めていきたいと考えています。
そのためにも、まずは代議員が成功体験を積み重ね、「自分たちの意見が活動につながる」という実感を持つことが大切だと考えています。
「憩いのおごり自販機」は、その第一歩になったと感じています。
また、組合員からの意見を集める仕組みづくりは今後の課題です。
現在は代議員会での意見交換が中心ですが、組合員が意見やアイデアを発信しやすい環境を整えることで、より多くの声を組合活動に生かしていきたいと考えています。
そして最終的に私たちが実現したいのは、組合活動の枠を超えて、部署や立場を越えたコミュニケーションや情報交換が自然に生まれる組織文化です。
組合だからこそ生み出せるつながりや対話を積み重ねる中で、最近は会社と伴走しながら、ともに課題解決に取り組む場面も増え、それが私たちにとっても活動のやりがいにつながっています。
そうした積み重ねが、新しいつながりや挑戦を生み出し、より良い会社づくりに少しでも貢献していければと思っています。

  担当講師よりコメント

  • ここ数年、完全オンラインでの研修を継続いただいており、私は前期から担当しています。
    皆さんバラバラの拠点からのご参加で、ビデオオフのままのコミュニケーション研修…なのですが、初回から楽しそうにプライベートなお話などをされていて、「業務以外の話をする機会として楽しんでいるうちにファシリテーションスキルが磨かれていく」という時間になっています。
    最近は「代議員を継続しても良いですか?」という方も出てきたとのこと。研修でお伝えした手法を翌月の代議員会で活用する、というサイクルを上手に回してくださっていることも学びの定着と代議員同士の関係性づくりにつながっていると感じます。
    「皆さんには、自信を持って何かしらの原動力になってほしい。『エンジニアなんだから何かのエンジンになりましょう』とお伝えしています。」今回のインタビューで執行部の皆さんの思いにあらためて触れることができました。組合員の声で作っていく活動を、ともに進めていきましょう!