語りつぐもの #21「ギャンブル依存症と労金融資」

2026.03.31  コラム 更新日:2026.02.25

※本コラムは、2025年3月21日に当社が運営するnoteに掲載された記事です。

 

このコラムは、元連合副会長・元JCM議長(現顧問)・元電機連合委員長(現名誉顧問)である鈴木勝利顧問が、今の労働組合、組合役員、組合員に対して本当に伝えたいことを書き綴るものです。

 

 

世は闇バイトの関係ニュースで持ち切りだが、すべてとは言わないが、闇バイトをする一部の人はどこかの企業の従業員で、どこかの組合員であるかもしれないと思うと愕然としてしまう。是非、そうではないことを祈るばかりである。

 

今は昔と違って「世の中すべて金次第」とまではいわないにしても、お金を必要とすることが多くなったような気がする。

 

かつて単組の役員時代、組合員の労金融資の相談窓口をしていたころ、融資を申し込む組合員にその利用目的を必ず聞いたことを思い出す。いろいろ話を聞いていくと、意外にわずかとはいえ、パチンコなどの俗にいうギャンブルに起因する融資申し込みが少なからず見受けられた。

 

組合員の私生活にどこまで踏み込むのか迷いながら、ギャンブルのために借金をしたいという組合員には、結構、生活相談のようなことまでしてきた記憶がある。相談の狙いは、もちろんギャンブル依存になってはいないか、借金生活依存の環境からどう抜け出せばいいのか、そんな相談がかなりあったように記憶している。

 

【厚生労働省の調べでは、生涯で「ギャンブル依存症」が疑われる状態になったことがある人は約320万人に上ります。お金のメンタルトレーナー三凛さとし氏が、全国の2791人を対象に「ギャンブル依存と遺伝の関係性」についてアンケート調査を実施し、その結果を発表しました。

 

調査は2024年4月1日、20歳以上80歳未満の男女(男性1374人、女性1417人)を対象にインターネット上で行われました。
まず回答者全員の年収は100万円未満が最も多く37.0%、100~200万円未満が15.9%、200~300万円未満と続いています。年収別に「ギャンブルにハマったことがあるか?」と尋ねたところ、「はい」の割合が最も多かったのは600~1000万円未満で50.8%と半数。次いで1000万円以上で46.3%に上りました。
ギャンブルにハマったことがあると回答した815人にそのギャンブルの種類を尋ねたところ(複数回答可)、1位はパチンコ・パチスロで52.1%、2位は宝くじ(ロト、ナンバーズなど)で39.8%、3位は競馬で39.5%となっています。
調査を行った同氏は「年収が高いほどギャンブルにハマりやすい傾向がある」などと今回の結果をまとめています。】

 

「LASISA編集部」4月19日

 

注・LASISA=法人組織で、地域の市民・支援を必要とする市民に対して、葬儀・終末医療に関する事業を行い、福祉の増進、誰もが暮らしやすく人間性豊かな地域社会づくり、日本古来の伝統文化の継承、新しい文化の創造に寄与することを目的としている

 

【中村安里フィールドキャスター:
「きょうからギャンブル依存症の啓発週間ということで、こちらではパネル展が開かれています。ギャンブルをやめられなくて人生をやめたくなったなど体験談も書かれています。」
ギャンブルに依存する人の体験談のほか、「児童手当がギャンブルに使われている」と書かれた啓発ポスターも掲げられています。
ギャンブル依存症とは、賭け事のために借金をするなど、生活に影響が及んでもギャンブルを続ける衝動が抑えられない病気です。
記憶に新しいのは、大谷翔平選手の元通訳、水原一平被告です。違法賭博の借金返済のため、大谷選手の口座から無断で26億4000万円あまりを不正にブックメーカーに送金していたという水原被告は、自身が「ギャンブル依存症」であると打ち明けたといいます。】

 

FBS福岡放送

さらに同放送は

 

【福岡県によりますと、ギャンブル依存症が疑われる人は、県内におよそ7万6000人いるとされています。そして今、危惧されていることがあります。】

 

FBS福岡放送

として、福岡県 健康増進課・山口智子係長の警告を取り上げている。

 

【「ネットによるギャンブルが増えていると言われています。」コロナ禍で家で過ごす時間が増え、インターネットに触れる時間が増えたことが背景にあるとされています。ボーナスが2日で消えた】。

 

FBS福岡放送

 

そして、12日、1人の男性がFBSの取材に応じ、その内容を次のように紹介している。

 

【当事者の男性(35)・「オンラインカジノが自分を本当の意味で狂わせた一つのギャンブル。」愛知県で大手企業に勤務する35歳の男性。大学時代からのめり込んだギャンブルをやめられず、6年前、オンラインカジノに手を出しました。借金は500万円に上ったといいます。
勤務先から支給されたおよそ20万円のボーナスは、カジノの賭け金としてわずか2日で消えていきました。】

 

また、別の男性(35歳)は、
【「2023年6月20日にボーナスで19万1000円を銀行に入れて、そこから2万円、2万円、2万円、2万円、3万円とか入金して、どんどんと、なくなっては入金し、なくなっては入金しということをしていました」】

 

FBS福岡放送

 

と述べたが、それこそが、「依存症」そのものの症状なのである。

 

ギャンブルによって身を持ち崩す典型的な例は、

 

【「1回1ドル100円で賭けていて、それが10万円になりましたってなると、もう10万円になった瞬間にこれとこれとこれ返せるじゃんって頭の中を鮮明によぎるが、出金のボタンが押せない。なぜなら、それよりも大きなお金を得るために大きなお金を投じる必要性が出るので、なので、また軍資金に必要だってなって、誰からの借金も返せることなく、ゼロになるまで賭け金を上げ続ける。」】

 

FBS福岡放送

 

幸いにもこの男性は、現在、同じ悩みを持つ人が集まる自助グループで、依存を断ち切るためのプログラムに取り組んでいるという。
依存症からの脱却の第一x歩を踏み出せたからである。

 

【全国ギャンブル依存症家族の会福岡の代表・村田麿美さんは、インターネットを入り口にギャンブルを始める若年層が増えていると話します。
「コロナ禍以降、低年齢化。10代から20代前半の相談がとても増えています。全国的に。3月の相談会では高校生でオンラインカジノをやっているということで、親御さんが相談に来たケースもあります。」
若い世代にも危険が忍び寄る「ギャンブル依存症」。村田さんは、一人で悩まずに相談してほしいと訴えている。】

 

FBS福岡放送

 

昔も今も、ギャンブルが蔓延(はびこ)る時代に変わりはないが、とくに大阪万博にことよせて「カジノ賭博」が新設・公認されるという。府や市にどれだけ実入(みい)りがあるのかは知らないが、賭博を奨励する権力者の狙いはどこにあるのか、ギャンブル依存症の人が増えることに責任を感じないのか、一体、安全・安心な日本はどこにいってしまったのか。よく分からずに悶々としている自分がいる。

 

組合員の労働金庫の融資相談や申し込みに対し、組合員の全生活に寄与する労働組合として新たな取り組みを進める時代が来たようだ。

 
 

この記事を書いた人

 

鈴木 勝利

Suzuki Katsutoshi


元連合副会長・元JCM議長(現顧問)
元電気連合委員長(現名誉顧問)
2012年春の叙勲において旭日重光章を受章。

鈴木勝利 顧問