機関誌・議案書の校正のやり方【初心者向け】基本手順・赤入れルール・チェックリスト

2026.10.08 

 

組合の広報・情宣担当になり、初めて機関誌や議案書の制作を任されたものの、

「校正って、何をチェックすればいい?」

「赤字はどうやって入れればいい?」

「このやり方で本当に合っている?」

と戸惑っていませんか。

 

労働組合では、本業で広報や編集に携わっていない方が、機関誌や議案書づくりを担当することも少なくありません。身近に詳しい人がいないと、何を基準にチェックすればよいのか迷ってしまうこともあるでしょう。

 

そんなときに知っておきたいのが、校正の基本的なやり方とルールです。

校正は、担当者一人の経験や注意力だけに頼って行うものではありません。基本的なチェック方法を知り、共通のルールに基づいて複数人で確認することで、一人では気づきにくいミスを防ぐことができます。

 

本記事では、初めて校正を担当する方に向けて、機関誌・議案書づくりに必要な校正の基本手順・やり方を、チェックリストや赤入れのルールとあわせてわかりやすく解説します。

 

 

1. 校正と校閲の違いとは?まず定義を理解しよう

 

誌面チェックには「校正」と「校閲」という2種類の作業があります。混同しやすいため、まず違いを整理しておきましょう。

 
作業 内容
校正 誤字脱字・表記統一・資料との照合などのチェック
校閲 事実確認・引用元確認・差別表現のチェックなど
 

校正と校閲では確認する観点が異なるため、外部に依頼する場合も、どこまで確認してもらえるのか事前に確認しておくことが大切です。

機関誌・議案書では、広報担当者だけで完結させずに、他の組合役員と協力して校閲も行う体制が理想的です。

 
 

2.校正の具体的な手順・やり方【STEP1〜4】

 

準備から赤入れ・共有まで、4つのSTEPで進めましょう。

 

STEP 1|校正に必要なものを準備する

以下の3点を用意してから作業を開始してください。

 
準備物 ポイント
最新の校正用紙(校正ゲラ) カラー制作ならカラーで印刷。在宅ならPDF(Adobe Reader)の注釈ツールで代用可
赤ボールペン 確定した修正指示を記入するのに使用
シャープペン・鉛筆 「疑問出し(検討中の指示)」に使用し、確定指示と区別する

「最新版」のゲラを使うことが大前提です。

古いバージョンに赤入れしてしまうミスは意外と多いため、作業前に必ずバージョンを確認しましょう。

 

複数人で校正する場合は、一人ひとりが誌面全体を確認することを基本にしながら、それぞれの立場や知識を生かしてチェックすることが大切です。

広報担当者だけでは気づきにくい内容の誤りや数字の間違いも、担当役員や執筆者など複数人の目を通すことで発見しやすくなります。

 

STEP 2|チェックすべき4つのポイント

以下の4つの観点でゲラを読み進めましょう。

 

① 素読み校正

まずは誌面を通して一読し、「意味が伝わるか」「文章として違和感がないか」を確認します。誤字脱字も同時に拾いましょう。

 

【修正前】

職場集会では進行役を担当しましたが、大勢の人の前で話すことはあまりなかったので緊張しましたが、参加者のみなさんに伝えることができました。

 

【修正後】

職場集会では進行役を務めました。大勢の前で話す機会が少なかったため緊張しましたが、参加者に春闘結果を伝えることができました。

 
赤入れ例
 

② 資料との突き合わせ

掲載元となる資料がある場合は、ゲラの横に置き、指やペンで示しながら数字・固有名詞・日付などを1項目ずつ照合します。特に数字・人名・年月日は1文字ずつ丁寧に確認します。

 

労働組合の機関誌・議案書では、組合員数や予算・決算などの数字、役員の氏名・役職名、組合・支部・分会などの正式名称、定期大会の日付なども間違いがないか確認しましょう。

また、前年度の資料を流用して作成している場合は、古い年月日・氏名・数値などが残っていないかにも注意が必要です。

 

③ 表記の統一確認

同じ誌面の中で表記が混在していないかを確認します。

 
よくある混在例 統一方針の例
「下さい」と「ください」 どちらかに統一
「行なう」と「行う」 常用漢字表に準拠
「2025年」と「令和7年」 西暦・和暦のどちらかに統一
数字の全角・半角混在 原則として半角数字に統一

組合独自の役職名や組織名称についても、誌面の中で表記が揺れていないか確認しておきましょう。

 

④ イラスト・画像の確認

写真のキャプション(説明文)が正しいか、使用しているイラストの内容が記事に適しているかを確認します。

人物写真を掲載する場合は、氏名や役職、写真とキャプションの対応にも間違いがないか確認しましょう。

STEP 3|修正指示を書き込む(赤入れ)

STEP2のチェックと並行して、ゲラに修正指示を書き込みます。

「赤入れ」とも呼ばれるこの作業には、関係者間で伝わりやすい基本ルールがあります。

【紙ゲラの場合】

・ 確定した修正指示は赤ボールペンで記入

・ 迷っている「疑問出し」はシャープペン・鉛筆で記入し、確定指示と区別する

・ 修正箇所には引き出し線を引き、余白に指示を書く

 

大切なのは、修正内容が相手に正確に伝わるよう、わかりやすく指示を書くことです。

 

【PDF(Adobe Reader)の場合】

操作 使いどき
テキストに取り消し線を引く 文章を削除したいとき
テキストを置換 文章を変更したいとき
テキストをハイライト表示 その他の修正・疑問出しを記入したいとき

STEP 4|関係者全員で確認・共有する

校正は、広報担当者だけで完結させず、記事の執筆者や担当役員など、複数人で確認することが大切です。

一人ひとりが誌面全体を確認したうえで、執筆者は記事内容、担当役員は数字や事実関係など、それぞれが詳しい部分にも目を配ることで、チェックの精度を高めることができます。

 

また、同じ文章を何度も読んでいると、内容を知っているからこそ誤字や間違いを無意識に補って読んでしまうことがあります。

複数人の目を通すことは、こうした一人では気づきにくいミスを防ぐうえでも有効です。

 

校正済みのゲラや修正内容は、制作に関わる関係者で共有しましょう。

共通ルールに基づいて作業することで、担当役員だけでなく、記事の寄稿者や外部の制作会社にも修正指示を正しく伝えやすくなります。

 
 

3.【保存版】校正チェックリスト

 

作業漏れを防ぐために、以下のチェックリストをご活用ください。

 

基本チェック項目

  • □ 誤字・脱字がないか
  • □ 文章の意味が正しく伝わるか(素読み)
  • □ 数字・固有名詞・日付は資料と一致しているか
  • □ 表記が誌面内で統一されているか(漢字・ひらがな・数字の全半角など)
  • □ 写真・イラストのキャプションは正しいか
  • □ 見出しと本文の内容に齟齬がないか
  • □ ページ番号・目次は正しいか
 

見落としがちなチェック項目

  • □ 西暦・和暦の混在がないか
  • □ 担当者名・団体名のスペルミスがないか
  • □ 組合・支部・分会などの正式名称は正しいか
  • □ 組合員数・予算・決算などの数字は正しいか
  • □ 前年度の年月日・氏名・数値などが残っていないか
  • □ 段落の字下げが統一されているか
  • □ 校正ゲラのバージョンは最新か
 
 

4.よくある校正ミスとその防ぎ方

 

初心者が特につまずきやすいミスを3つ紹介します。

 

① 修正箇所の「修正漏れ」

前回の校正で赤入れした箇所が、次のゲラで反映されているか確認します。修正されたはずの箇所が抜けていることは意外と多く発生します。

 
対策 前回の校正済みゲラと新しいゲラを見比べながら確認する「突き合わせ確認」を必ず行う。

 

② 古いゲラへの赤入れ

最新版ではないゲラに誤って作業してしまうミスです。

 
対策ゲラのファイル名・版数を作業前に必ず確認する。
 

③ 数字・固有名詞の見落とし

文章の「流れ」を読もうとすると、数字や固有名詞の細かいミスを読み飛ばしてしまいます。

特に機関誌・議案書では、組合員数や予算・決算、役員名、開催日など、間違えると影響の大きい情報も少なくありません。

 
対策 数字・固有名詞のチェックは、文脈を無視して「数字だけを追う」など、分けて確認する。

 
 

5.まとめ|校正を「チームの共同作業」にする3つのポイント

 

1. 複数人の目で確認する

一人だけで確認するのではなく、広報担当者や記事の執筆者、担当役員など、複数人で誌面全体を確認しましょう。それぞれの立場や知識を生かして確認することで、一人では気づきにくいミスを発見しやすくなります。

 

2. 共通のルールで赤入れする

誰が見ても同じ意味で伝わる修正指示が、スムーズな連携を生みます。

 

3. チェックリストを活用する

個人の感覚に頼らず、リストを使うことで安定した品質管理が可能になります。

 

校正は、孤独な作業ではありません。

 

共通ルールのもとで複数人の目を通し、「みんなで広報媒体を作り上げる」意識を持つことが、機関誌・議案書の品質向上につながります。

 

また、校正のルールや体制を整えることは、ミスを防ぐだけでなく、担当者一人に負担が集中しない機関誌づくりにもつながります。

 

j.unionでは、機関誌の制作だけでなく、コンセプトや企画の整理、制作体制づくり、校正まで、組合の状況に合わせた情宣活動をサポートしています。

機関誌づくりや情宣活動について、「今のやり方でいいのかな」「もっとよくしたい」と感じたときは、お気軽にご相談ください。

 
 
 

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