このコラムでは、元電機連合 書記長、元東芝労働組合 中央執行委員長、東芝グループ連合初代会長として、長年にわたり労働組合の現場と向き合ってきた泉田和洋が、自身の経験をもとに、今の組合役員や組合員と一緒に考えていきたいことを綴ります。
組織のリーダーの皆さんは、それぞれに「ご自身のマネジメント論」をお持ちだと思います。
ここで、「頼れる人知ることが道を拓く」と題して、私の「マネジメント論とマネジメント業務を担うリーダーの皆さんへのお願い」をお聞きいただきたいと思います。
一般的に、「マネジメント」とは、「資源や資産・リスクを管理し、経営上の効果を最適化しようとする手法を指し、経営者の経営そのものを指す場合が多い」、また、一言で表すと「経営・組織を管理する業務」と言われています。
他にも、多くのビジネス書で「マネジメント論」が展開されておりますが、私は、「マネジメントとは、能力や性格が異なるメンバーや仲間の人たちをしっかりとまとめ、世の中の変化をできるだけ予測しながら、新たに起きてくる様々な問題や課題を組織の総力をもって解決し、約束した時間通りに目的を達成させること」ととらえています。
私ごとになりますが、組合役員に専従する前、私はこのようなマネジメント論をもって、国内・海外の民間ならびに国営の放送会社に納めるテレビ放送装置(当時は東京タワーに代表されるテレビ塔、現在では、東京スカイツリーに代表されるテレビ塔に設置されるアンテナ装置からテレビ電波を発射する大型の送信装置)の設計業務を担いました。
この業務を通して、私のマネジメント論に追加した内容があります。
それは、「変化する時代の中で新たに起こってくる問題や課題の解決を図り、新しい道を切り拓いていくためには、自分の経験や知識に加え、会社組織の内部・外部を問わず、自分が知らないことを知っている人(その道に長けている人)で、かつ、頼れる人を知り、その人たちの協力で得た情報や知識や知恵を活かして対応を図ることが必要である」ということでした。
この気づきのもとは、国内・海外を問わず、例えば、お客様のニーズに応えるための新技術の採用については、研究・開発部門の皆さんの協力を得なければならなかったこと。また、海外の仕事(メキシコ、スペイン、アラブ首長国連邦等におけるテレビ放送網拡充プロジェクト)においては、現地の事情(その国の商習慣や習わし)に精通している商社を含む現地事務所の皆さんの協力を得なければ仕事を完遂させることができなかったことにあります。
組合役員に専従した後も、私にはない専門的な知識、あるいは、豊富な経験を持たれている多くの先輩方の指導やアドバイスが、会社提案への対応や組合員の皆さんの意見や要望の実現に大きく役立ちました。
現在は、私の現役時代に比べ、社会情勢、市場競争、お客様ならびに組合員の皆さんのニーズ、新技術の研究・開発など、すべての面において変化のスピードが増してきています。
現役リーダーの皆さんにも、ご自身の努力や経験を通して培われたマネジメント論に、是非、この「組織の内外を問わず、自分が知らないことを知っている人(その道に長けている人)で、かつ、頼れる人を知り、その人たちから得た情報や知識や知恵を存分に活かすこと」を加えていただき、新たに起こってくる問題や課題の解決を図りながら、組織ならびに組織の人たちにとっての明るい明日(未来)を力強く切り拓いていっていただきたいと思います。
繁忙が続く中で、良好な人間関係を幅広く構築していくこと(顔を広げること)については努力がともなうと思いますが、その努力は、リーダーとしての頼もしさや魅力を一層高めることに必ずつながるものと私は思っています。
頑張ってまいりましょう!
この記事を書いた人
泉田 和洋
Kazuhiro Izumida
j.union株式会社 顧問
元電機連合 書記長
元東芝労働組合 中央執行委員長
東芝グループ連合 初代会長
元株式会社コンポーズ・ユニ代表取締役社長

